シミュレーターを使ったのに上限額を超えて損してしまった?控除額計算法を解説

「ふるさと納税を限度額ギリギリまで活用するために、しっかりシミュレーションしたのに、実際の控除額が少ない…」と、落胆している人はいませんか?

それは、寄付限度額を超えて寄付をしたことで、自己負担金が増えてしまっているためです。

きちんと寄付限度額をシミュレーションしたのに超過してしまうのには、なぜなのでしょうか?

今回は、シミュレーションと実際に控除額が異なる原因や、限度額シミュレーションの落とし穴についてもご紹介いたします。

シミュレーション後、上限額を超えてしまうワケ

シミュレーションをしているのにも関わらず、自己負担金が増えてしまうのには、以下のようなことが原因と考えられます。

【所得変動】昨年の所得でシミュレーションをしている

ふるさと納税は、今年の所得に対して税金控除が受けられるというものです。

しかし、今年の合計所得がいくらになるのかは、12月頃にならないと想定できませんよね。

そのため、昨年の収入を参考にシミュレーションをしている人も少なくないかと思います。

毎年所得にさほど変動がない方はそこまで心配いりませんが、歩合などで毎年所得が大幅に変動する方は注意が必要です。

昨年のベースでシミュレーションをしても、実際今年の所得が想定より低かった場合、寄付限度額も下がるため、実質負担金が増えてしまいます。

年間所得が安定していない、変動がある職業に場合は、今年の収入がある程度見込めたらまとめて申し込むようにすると、限度額超過を避けることが可能です。

【扶養家族の増減】16~22歳までの扶養人数が変わった

ふるさと納税の限度額は、所得のほか寄付者の扶養人数によって決まります。

そのため、1年の間に、家族が扶養に入ったり抜けたりすると、控除額も変動するのです。

16~22歳までの家族を多く扶養しているほど、寄付限度額は低くなります。

そのため、途中で扶養家族が減った場合は、とくに注意が必要になるのです。

以下のようなケースに該当する方は、一度シミュレーションを見直してみましょう。

  • 妻が仕事を辞めて専業主婦になった
  • 自分で社会保険入っていた妻が、扶養内パートの仕事に切り替えた
  • 子どもが仕事を辞めて自分の扶養家族になった
  • 子どもが誕生日を迎えて16歳になった
  • 自分で社会保険入っていた妻が、扶養内パートの仕事に切り替えた
  • 子どもが仕事を辞めて自分の扶養家族になった
  • 子どもが誕生日を迎えて16歳になった

15歳以下の子どもは、寄付限度額の計算上対象外となるため、加味しなくて大丈夫です。

しかし、16歳を迎えた時点でシミュレーションの対象となるので、扶養している子どもの年齢にも注意しましょう。

【所得控除の変動】ふるさと納税以外の控除を併用した

ふるさと納税の寄付控除は、他の所得控除と併用することができます。

併用には減税などのメリットがある一方、シミュレーション額と変動してしまうデメリットもあるのです。

以下のようなケースに該当する方は、一度シミュレーションを見直してみましょう。

  • 医療費控除を併用し、所得税額が大幅に下がった
  • マイホームを購入し、今年から住宅ローン控除を受ける

医療費控除は10万円を超えた医療費が所得から引かれるため、支払うべき所得税額が低くなるメリットがあります。

しかし、病気などで高額な医療費がかかった場合は、ふるさと納税の寄付限度額も低くなってしまうため注意が必要です。

また、住宅ローンは「ワンストップ特例制度」が利用できますが、1年目だけは年末調整ができません。そのため、ふるさと納税の控除分も確定申告が必須になります。

そのことを知らずに確定申告を忘れてしまうと、ふるさと納税はもちろん住宅ローン分も控除が受けられず、実質負担金が膨れ上がってしまうため、十分注意しましょう。

シミュレーションには落とし穴も!算出額は100%正確ではない

シミュレーションで算出される寄付限度額は、あくまでも目安です。

そのため、シミュレーションで計算された限度額ギリギリまでふるさと納税を行うと、実際の控除上限を上回ってしまうことがあるのです。

ふるさと納税ポータルサイトにより、限度額が異なることも

限度額シミュレーションが簡単に行えますが、サイトによっても算出額は異なる場合があります。

実際に筆者が、「さとふる」「ふるさとチョイス」「ふるなび」3つのサイトで、同条件でシミュレーションツールを使ってみました。

〈年収500万円、夫婦+子ども1人(高校生)の世帯〉

  • さとふる … 38,000円
  • ふるさとチョイス … 40,000円
  • 楽天ふるさと納税 … 43,952円

※年収・家族構成のみのかんたんシミュレーションをした場合

自分で正確な寄付上限額を計算してみよう!

実際に、自分で寄付控除額を計算することも可能です。

所得税・住民税控除額の計算方法は以下のようになります。

種類計算方法寄付上限額
所得税控除額 (寄付金額-実質負担2,000円)×(所得税率×1.021) 総所得の40%
住民税控除額(基本分)(寄付金額-実質負担2,000円)×10% 総所得の30%
住民税控除額(特例分)(寄付金額-実質負担2,000円)×(90%-所得税率×1.021)  

〈年収400万円の独身者が、年間43,000円ふるさと納税をした場合〉のシミュレーション

上記の計算方法で、実際にどれくらいの寄付限度額になるのかをシミュレーションしてみました。

所得税控除額

  • (寄付金額43,000円-実質負担2,000円)=41,000円
  • 41,000円×所得税割額5%×1.021=2,093円

住民税控除額(基本分)

  • (寄付金額43,000円-実質負担2,000円)=41,000円
  • 41,000円×10%=4,100円

住民税控除額(特例分)

  • (寄付金額43,000円-実質負担2,000円)=41,000円
  • 41,000×(90%-所得税率5%×1.021)=35,016円

3つすべての控除額を合わせると…

所得税2,093円+住民税(基本分)4,100円+住民税(特例分)35,016円となり、税金の控除額(寄付限度額)は、41,209円となります。

まとめ

ふるさと納税の寄付限度額は、ポータルサイトを利用すれば誰でも簡単にシミュレーションをすることができます。

しかし、寄付者の給与や扶養人数の変動や、他控除と併用した場合は、シミュレーションと実際の控除額に違いが出ることがあるのです。

また、ポータルサイトのシミュレーションも100%完璧なものではありません。

サイトによって金額に多少違いもあるので、限度額ギリギリまで申し込んでしまうと、実質負担金が増える可能性もあります。

控除額は自分で計算することもできますが、あくまでも参考程度です。

限度額に少し余裕を持ってふるさと納税を楽しむようにすれば、上限額を超えて損することは避けられますので、上手く調整しながら活用しましょう!